慣れてないのですみません。と謝っておくブログ

詩を書いたり書かなかったりします。

洗濯屋

5時半のアラームが鳴る前に目覚めて、とても疲れていることに気付く。
宇宙疲れだ。
宇宙ステーションでは、友人の家族と過ごした。
友人の父母、友人、友人の妹、友人の兄もその辺に居たかもしれない。
雑多とした背もたれのないソファーがひしめき合うように置かれた大部屋に、多くの人が集まっている。
違う パーテーションで軽く区切られただけの床の上にシートを敷いただけだったかもしれない。
とにかく狭くて、人口密度の高い空間だった。
私たちはたわいもない話をし、そうしているうちに友人の妹が袋の中に一つだけ残っていたマシュマロをくれた。
それは宇宙マシュマロだったから、薄いピンクのマシュマロは萎びたようになっていた。それは、そういうもののようだった。
私は思い出し、鞄から一つだけ残っていたマシュマロをその妹にあげた。白いそれは、地球から持ってきたマシュマロだったから、ふんわりとやわらかく膨らんでいた。
私は、良いものをあげられたと自慢げに思い満足をした。
妹は、手に掴んだ一粒の白いマシュマロをまじまじと見、食べようとはしなかった。
私のもらった宇宙マシュマロが、そのときどこにあったのかわからない。
食べてはいなかったので、味の記憶はない。

洗濯屋の話をした。
友人の母が、頼んでいた洗濯物が届いたからと仕分けしようとしていた。
それまでに私が知っていた洗濯屋は2社あって、例えA社は購入した専用袋に入れた洗濯物を、洗った後また専用袋に入れて返してくれるが、洗い上がったままを専用袋に突っ込んだもので、ぐちゃぐちゃだし碌に乾いていない。B社は、購入した専用立体ネットに詰め込んだ洗濯物を、専用立体ネットから出すことなくそのまま洗い、乾燥まで終えると専用立体ネットから出し、軽くたたんで別購入の網目の密な立体ネットに入れて、洗濯用立体ネットと共に返却してくれる。これは、親切でとても良いやり方だと思っていたが、立体ネットが洗濯用と洗い上がり用と二つをやり取りするのでかさ張る。
そう思っていたところに、この友人の家ではA社B社ではない別のC社を利用していて、そこは大きめの専用立体ネットを購入し、その中に詰めた洗濯物をそのまま洗い乾燥をし、中身の洗濯物に業者が一度も触れることなく、そのまま返却される。
友人の母は、その状態で立体ネットから出した洗い上がりの洗濯物を畳んでいる。
少しばかり皺にはなるかも知れないが、これなら下着等出しても恥ずかしくないしいい感じだ。
我が家の洗濯屋もここにしよう、と早速自分の家族に伝えようと混んだ通路で出会うと、お祖父さんが亡くなったという。
お祖父さんとは、私の現実味のない夫の実父のことだ。
急ぎ帰らねばならない。
もちろん洗濯物を洗いに出している余裕もない。
検討して決めた洗濯屋を伝えることもなく、これからのことを考えた。
洗濯屋は必要なくなってしまった。

そして目が覚めた。
とても疲れていた。
私は宇宙ステーションの洗濯屋に洗濯物を出せなかったので、この地球で洗濯機を回さなければいけない。